雑誌プレジデントが、かなり気合の入った歯磨き特集を組んできました。磨き方カードの付録までついています。
しかし、この磨き方の説明ではちょっと足りない気がしますし、「滅菌」という言葉の使い方は医学的に見たら間違いです
歯を磨いたくらいで口腔内の細菌を死滅しゼロにすることはできません。歯磨きで目指すのは、最近の巣であるプラークを極力取り除いてバランスの取れた口内フローラにすることです。
口の中には、3大不潔域というプラークの溜まりやすい場所があります。
奥歯のかみ合わせの溝の部分(咬合面裂溝部)
歯と歯肉の境目(歯頚部)
歯と歯の間(歯間部)
です。
歯を磨く時は、ここを意識して磨くことが大切です。
まず歯を磨く前にご自分の舌の先で歯を1本ずつなぞってみてください。舌を動かすことによって唾液の分泌も増すので一石二鳥です。
結構複雑な凹凸があるのがわかると思います。
この特にくぼんだ部分が3大不潔域なので、ここにきちんとブラシが当たらないとプラークを除去することが出来ません。
なので、一か所ずつ意識してブラシを動かしましょう。歯ブラシだけではプラークは除去しきれないので歯間ブラシ、デンタルフロスも併用しましょう。
最後に舌の表面も軽くこすって舌苔を溜めないようにしましょう。
私がフルコースで磨く場合、使うのはこんな道具たちです。
奥の液体歯磨きは、歯を磨く前にブクブクするタイプのもので長く磨く時には便利です。
まず、ブクブクして歯磨き剤をいきわたらせて、歯間ブラシとフロスで歯間部を磨き、歯ブラシで全体を磨き、舌で触ってザラツキが残る場所は小さめのブラシやワンタフトブラシで磨き、また舌で触ってザラツキがなくなったら終了!左のピンクのは舌ブラシです。
こんな感じで磨くとかなり時間はかかります。(20分くらいでしょうか)が、ここまでやるとスッキリします
私も忙しかったりして省略することもありますが、自分の健康を守るためがんばっています!
夜寝ている間に細菌の数は10倍に増えるといわれているので、徹底的に磨くなら夜寝る前がお勧めです
虫歯や歯周病、口臭の予防になり、感染症のリスクも減らせるとなれば、多少面倒でもやるべきでしょう。
その上で、3ヶ月に一回歯科医院でチェックを受ければ理想的です
今はまだ、緊急事態宣言継続中なので、不要不急な外出などは控えたほうがいいと思われますが、当院での感染予防対策もかなり整ってきましたので、不必要に怖がり過ぎてかえって健康状態を悪化させることのないよう、ご相談いただければいいかと考えています