私達歯科医師向けの講演会やセミナーはあちこちでしょっちゅう行われています。
興味のあるテーマも多いのですが、土日も診療しているのでなかなか参加できません。
でも最近、コロナウイルスの影響もあって、こうした講演会がネット配信されることが増えてきており、私としては有り難いです
今回受講してとても良かったのが、ヨシダ主催の「ダエキのチカラ」です
4人の先生が、唾液の持つ様々な機能、全身との関わりなどについて興味深い話をしてくだっています。
その中で、皆さんも耳にしたことがあると思いますが、
「口の中を清潔に保つことが、インフルエンザや他の感染症、肺炎の予防につながる」
のは、なぜか?
ということを少し説明させていただきたいと思います。
普段から、私達の口の中には500~700種類、唾液中には1mlあたり1億個~100億個もの細菌がいるといわれています。
これらがいわゆる「口内フローラ」を構成してバランスをとっているのですが、
口腔内の衛生状態が悪化すると細菌数が増え、このバランスが崩れてきます。
数が増えると人体に悪影響を及ぼすのが、プロテアーゼ、ノイラミニダーゼという物質を産生するといわれる細菌群です。
(Streptpcoccus mitis,Streptococcus orarisなど)
プロテアーゼは、粘膜表面のタンパク質を変性させ、ウイルスを吸着しやすくします。
ノイラミニダーゼは、ウイルスを粘膜に結合させやすくします。
ウイルス感染症は、侵入したウイルスが、粘膜に定着して増殖することによって発症するので、これらの物質が増えるとウイルス感染症を発症しやすくなるわけです
これらの事から、口腔内の衛生状態を良好に保ち口腔内細菌の数を増やさないことが、感染症予防にとても重要なのだということがおわかりいただけると思います。
本来でしたらここで、おうちでのセルフケアとともに、歯科医院での定期検診をぜひ!とお勧めしたいところなのですが、今現在も緊急事態宣言は継続中で、今のところ問題のない定期検診の患者さんには、予約の延期をお願いしている状況なのがなんとも歯痒いです
なので、次のブログで口腔内のセルフケアについてお伝えしていこうと思います