

実は「義歯=入れ歯」も、「歯がないという障害を補うための装具」 ということができます。
彼らパラリンピックの選手とて、最初からあんなに装具を使いこなせたわけではない、はずです。
例えば義足であれば、自分の足がないという事実に直面し、絶望し、あきらめ、現実を受け入れ、そのうえで義足を使う決心をして懸命にリハビリをして・・あの場に立っているのだと思うのです。
義歯を使う場合でも、程度の差はあるでしょうが、そのような「心構え」と「リハビリ」はやはり必要なのではないかと多くの患者さんと接していくうちに考えるようになりました。
よく、入れ歯を作ると「どの位で慣れるものですか?」と聞かれるのですが、入れ歯という装具に対する「拒否反応」の強い人は、やはり慣れるのに時間がかかるように感じます。
なるべく痛みの出ない、適合の良い義歯を作るのは私達歯科医師の仕事ですし、少しの調整で改善する不具合も多いのですが、入れ歯を使うということをきちんと受け入れて、ちょっと頑張って使い続けていただく、というのも義歯に慣れて使いこなしていくためには必要になってくると思われます
